DISCO

ジョイアの透明感のある唄声が
      カルトーラの音の風景を醸し出す

NEW アルバム
『vida』に寄せて

3年越しの構想を経て、今、サンバの神様カルトーラの曲だけを集めた、このアルバムをリリースできることに心から感謝しています。
タイトルは「VIDA(ヴィーダ)」。人生・命・暮らしという意味のポルトガル語の言葉です。

私が初めてカルトーラの曲に出会ったのは、歌い始めて間もない頃、友人のライブ演奏でした。それまで、柔らかで軽快なボサノバばかり聴いていた私は、心の奥深いところに直接語りかけてくる哀愁ある美しいメロディーに、震えるほどの衝撃を受け、演奏が終わると同時に駆け寄って曲名を確かめたのを覚えています。それは3曲目に収録した「人生は風車(ふうしゃ)」。サンバ カンサォンの世界に魅せられる、きっかけでもありました。

私が歌う意味は医師であることと深く結びついています。火傷を負った子供やその子の母親の気持ち、事故で顔に傷を負った女性の苦しみ、痛くて辛い治療の末に感謝の言葉を下さる患者さんとご家族の美しい心。毎日多くの患者さんと真剣に向き合う中、それぞれの方の気持ちが私の心に入ってきます。人間を心から愛おしく感じられるー患者さんからのGIFTを歌でお返ししたいと思うのです。

私にとって医業は心のインプット、歌はアウトプットです。音楽は人生のGIFTなのです。

黒人であったカルトーラの人生も苦難に満ちていました。若さ溢れる20代にマンゲイラというサンバチームを創立し、数多くの名曲をチームへ提供したにもかかわらず仲間の裏切りや権力闘争から身を引きチームを離れ、生きていくために左官として働き、30年間も社会から忘れられていました。音楽の世界に返り咲いたのは60歳を過ぎてからのことです。晩年には古巣マンゲイラへの復活も叶い、もう一度青春を取り戻したと歌うO Sol Nascerá(陽は昇る:10曲目収録)には彼の喜びが満ちています。そして、最晩年に人生を振り返り、色々あったけれど今幸せですと神への感謝を歌うO Inverno do Meu Tempo(人生の冬:5曲目収録)の歌詞には、傍で支え続けた最愛の妻ジカへの愛も伝わってきます。人生の苦難も喜びもそのまま受け入れ、正直に一生懸命生き抜いたカルトーラの音楽には彼の人生そのものが投影され、慈愛に満ち、洗練されたメロディーだけでなく、詩の美しさも際立っています。

人の営みのごく普通の何気ない生活や『人生=VIDA 』の中にこそ普遍的な美しさがある。(これこそサンバの真髄だと思います)それを表現したカルトーラの楽曲と歌詞を掘り下げ、ブラジル音楽を愛し歌ってきた歌手として、一人の女性として、人間として。カルトーラの精神性に共鳴し、深いところに近づこうと、精一杯向き合ったつもりです。ぜひ歌詞を読みつつ、ご自分の人生と重ね合わせながら聴いていただけたら嬉しく思います。

Que seja sua vida feliz!
あなたの人生に幸あらんことを!

Thanks to : 笹子重治、伊藤芳輝、山田裕、寺前浩之、赤木りえ、黒川紗恵子、江藤有希、Yui、荒井桃子、
森朱里、島津由美、岸田充善、森本タケル、ケペル木村、芦田ルイーザ、小川敦子

  • Silêncio de Um Cipreste 糸杉の沈黙
  • Divina Dama 俺の女神
  • O Mundo é Um Moinbo 人生は風車
  • Não quero mais amar a ninguém もう誰も愛したくない
  • O Inverno do Meu Tempo 人生の冬
  • Basta De Clamares Inocência もう言い訳はたくさん
  • Autonomia 自由の権利
  • As Rosas Não Falam 薔薇は語らない
  • Que Sejas Bem Feliz 君に幸あらんことを
  • O Sol Nascerá 陽は昇る〜Alvorada
  • Acontece 愛のなりゆき

vocal: Jóia
acoustic guitar: Shigeharu Sasago
acoustic guitar: Yoshiteru Ito
7cords guitar: Yutaka Yamada
bandolim: Hiroyuki Teramae

Guest Performers:
flute: Rie Akagi
clarinet: Saeko Kurokawa
violin: Yuki Etoh
violin: Yui
violin: Momoko Arai
viola: Akari Mori
cello: Yumi Shimazu

Produced by Jóia
Supervised by Shigeharu Sasago

Recorded,mixed and masterd by Mitsuyoshi Kishida
Recorded at Pastoral Sound in Tokyo,Japan

Creative Director: Atsuko Ogawa
Art Direction & Design: Eiichi Sakota
Design: Toshio Kawakami
Drawing: Yukari Sato
Photography: Yoshiyuki Mori
Artist Logo Design: Kei Sumiya

ブラジルの“ Ternura(テルヌーラ)=心のぬくもり”に
感謝の想いを込めたファーストアルバム

ブラジルの美しいバラードを、阿部浩二、石川智、小畑和彦、長岡敬二郎、渡辺亮、山田裕など日本のブラジル音楽を牽引するミュージシャンたちと共演を重ね、満を持して製作したのが、本アルバムです。

プロデュースは、須永辰夫プロデュースのほとんどの作品でアレンジ、ピアノを担当し楽曲も提供、akiko、野宮真紀、青木カレンなどのアルバムなどにも参加しているピアニスト太宰百合。前出の石川智、小畑和彦や佐野聡、早川哲也など実力派ミュージシャンたちが脇を固めています。

また、トラック3では、伊澤陽一のスティールパン(スティール・ドラム)を、トラック4では、山下Topo洋平のサンポーニャをフィーチャーするなど、曲毎にも少しずつ表情を変えながら、全体的には、統一感あるアルバムに仕上げています。録音からマスタリングまでを、凄腕レコーディング・エンジニア赤川新一が担当。透明感とぬくもりを感じさせつつも、解像度の高い音質も魅力です。

取り上げた曲は、ジョアン・ドナート、ロベルト・メネスカル、アントニオ・カルロス・ジョビン、シコ・ブアルキ、ヴィニシウス・ヂ・モラエスからカルトーラ、ジャバン、イヴァン・リンスまで、まさにブラジルを代表するアーティストの作品ばかり10曲。なかでも「どうしても歌わなければと思った」最終曲ヴィニシウス・ヂ・モラエス作詞の “Rosa de Hiroshima 広島の薔薇” は、原爆の悲しい歴史に様々な思いをよせる人々に届けられればという思いを込めて歌いました。

  • Nos e o Mar 私たちと海
  • Acaso 偶然
  • A Paz 平和
  • Oceano
  • As Rosas Nao Falam 沈黙の薔薇
  • Sem Compromisso 約束なんてしてない
  • Inutil Paisagem 意味のない風景
  • Retrato em Branco e Preto 白と黒のポートレイト
  • Manha de Carnaval カーニバルの朝〈黒いオルフェ〉
  • Rosa de Hiroshima 広島の薔薇

Past blog

雑誌「ジャズ批評」にライブレポートが掲載されました!

2018.12.25

この11月に発売された雑誌「ジャズ批評」クリスマス号に、8月のライブコンサートのレポートが掲載されました。後藤誠一先生の温かな熱いハートを感じる素晴らしい文章に感激しています。「ヒーリング・ボサノヴァの伝道師」なんて恐れ多い。。

歌を深く掘り下げ心を歌うことを大切にしていますが、図らずもちゃんと捉えてくださったことに何より感動しました。これからも真摯に歌に向き合い、良い波動、良い歌を皆さまの心へ響かせることができるよう頑張ります。

雑誌「ジャズ批評」のボサノバ特集に掲載されます!

2018.9.4

先日の九州ツアー二日目の小倉「音楽館」でのコンサートに、ジャズ批評のライター(実質上編集長)後藤誠一先生がお越し下さり、最前列で聴いてくださり、さらにまだ発売前の雑誌を頂くという光栄に預かりました。

なんと9月号は偶然にもボサノバ特集で、その中に私を書いて下さったのです!ブラジルをはじめ海外の超有名アーティストの中に私のアルバムが並んでいる!!まるで夢を見ているようです!!

コンサートの後、後藤先生からのメッセージも私のブラジル音楽を希求する姿勢や精神性の深さを高く評価して下さるもので、本当に嬉しく、さらに精進していこうと改めて心に誓いました。

「埋もれた宝石のような美しく輝く隠れた名曲を見つけて歌って下さい」とも。はい!とてつもなく広くて深いブラジル音楽の世界をこれからも希求し続け、隠れた名曲を発掘し、皆さまにお届けして行きます!

後藤先生、ありがとうございました。

雑誌 Latina7月号にレビューが掲載されました!

2017.7.12

ラテン音楽を中心に世界の良質な音楽を紹介する雑誌「 Latina ( ラティーナ)」7月号にアルバム「テルヌーラ」のレビューが掲載されました!とても良いレビューを書いて下さっていて本当に嬉しい限りで、勇気をいただくことができました。

錚々たる世界のアーティストの方々の中に私のアルバムを紹介頂けて心から光栄で感激ひとしおです!(同じページには尊敬するファドの女王、アマリア・ロドリゲスも!)「埋もれた宝石のような美しく輝く隠れた名曲を見つけて歌って下さい」とも。はい!とてつもなく広くて深いブラジル音楽の世界をこれからも希求し続け、隠れた名曲を発掘し、皆さまにお届けして行きます!後藤先生、ありがとうございました。

Euro Rock Press誌にレビューが掲載されました!

2017.3.20

実は先月思いがけない嬉しいサプライズがありました。何と私のファーストアルバムのレビューが「Euro Rock Press 2月号」に掲載されました!!何故かEuro Rock というブラジル音楽とは離れたジャンルですが(^_^;) でもでも嬉しいのです。

何よりレビューの内容が本当に嬉しい! あのシルヴィ・バルタンやサラ・マクラフランと同じページに!光栄です!(評価点数上回ってるし!)こんな素晴らしいレビューを書いてくださった内田様、ありがとうございます!この場をお借りして御礼申し上げますm_m !!

これを読んで購入したいなって思ってくださる方のためにネットで購入できるように手続きをいたしました。

見ず知らずの方が手に取って聴いてくださると、私の気持ちが歌を通して知らない土地の誰かと繋がると思うと心から嬉しく思います。

音楽って不思議ですね。